MAGAZINE/戦う学生たち

薬学部を捨て、踏み出した「STEP OUT」——葛藤の末に掴んだ、自らの手で人生を切り拓く覚悟        #SDR28-0252

2026.10.08

学生プロフィール

兵庫県神戸市出身。近畿大学薬学部を経て、2026年4月より社会学部に転学部。学生団体「STEP OUT」代表。幼少期は空手や卓球部部長、小学校の体育委員長などを務め、人前に立ちリーダーシップを発揮してきた。大学進学後、研究中心の生活に不完全燃焼感を覚え、サークル立ち上げや企業との交流イベント開催に没頭。自らの価値観に従い薬学部退学・内定辞退を決意し文系へ転学。現在は「一歩を踏み出せない1・2年生」に向けた職業体験イベントの企画や団体の全国展開、起業を見据えた活動に挑戦している。



幼少期は周囲の期待に応え続けた自分を超えて、今、自らの手で新しい道を切り拓く青年がいる。近畿大学社会学部3年の松下凜太郎である。

現在、学生団体「STEP OUT」の代表として、全国の学生が一歩を踏み出すための場作りに挑んでいる。なぜ彼は約束された安定を捨て、あえて険しくも情熱溢れる道を選んだのか。その決断の裏には、幼少期からの原体験と、何事にも全力で挑み「人生を本気で楽しむ」という揺るぎない意思決定の軸があった。

【学生時代に成したいこと】

松下が学生時代に成し遂げたい最大の目標は、自身が立ち上げた学生団体「STEP OUT」の活動を関西圏にとどまらず全国へと拡大し、一歩を踏み出せずに悩む大学1・2年生へ挑戦のきっかけを提供することだ。

現在、多くの学生が「何か行動を起こしたいけれど何をすればいいかわからない」「将来の夢ややりたいことが見つからない」という壁に突き当たっている。松下は企業と連携した短時間の「職業体験型イベント」などの実践的な機会を創出し、学生たちが身をもって体験し、自らの意思で未来を選び取れる環境を全国規模で構築することを目指している。

【その道を選んだ理由】

彼が目指した道は、決して平坦なものではなかった。

親や周囲の期待を背負って入学した近畿大学薬学部での生活は、研究や学業に追われる毎日であった。しかし、サークル運営や学生と企業を繋ぐイベントの企画を経験する中で、彼の心の中にあった「自分で価値を創出し、人にきっかけを与えたい」という情熱が溢れ出した。既存の枠組みや与えられたレールの上を進むことに強い不完全燃焼感を抱いた彼は、周囲の反対や1年の長期化などといったリスクを恐れず、社会学部への転学部を決断した。周囲が求める「安定」よりも、自らの魂が燃える「挑戦」を選択したのである。


【原体験における共鳴ポイント】

松下の行動原理の根底には、幼少期から小中高時代にかけて培われた原体験が存在する。幼稚園時代にはサッカーの断念を余儀なくされた過去があったが、精神力を鍛えるために始めた空手を6年間やり遂げた。

小学校では約600人の全校生徒の前で体育委員長としてラジオ体操を主導し、中学校では身体的な制約の中で卓球部部長を務め地区大会ベスト8、さらに学年トップの学力を修めるなど、どんな制約や環境下でも努力を重ねて結果を出す強い負けず嫌いの精神を培った。制約の中で葛藤しながらも自ら打開し、人前に立って周囲を引っ張ってきた経験が、今の彼のリーダーシップと「自分で選択し挑戦する」という価値観の原点となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

彼の覚悟が完全に定まったのは、大学2年時に友人と登った山での体験と、その後のサークル「なまけもの」やイベント運営を通じて自身の価値観が大きく変容した瞬間である。自然の中で仲間と価値観を共有する心地よさを知り、「やりたいことを形にする喜び」を実感した松下は、薬学研究に時間を費やす自分に強い違和感を抱いた。「この貴重な大学生活の1年を無駄にしたくない」「自分が本当に情熱を注げることに時間を使いたい」と強く思い至った時、自らの意思で文系学部へ転学し、自力で人生をドライブさせていく腹をくくったのである。

【意思決定の軸】

松下の意思決定の軸は、「自分の人生を本気で楽しんでいるか」「後悔しない選択をしているか」という極めてシンプルかつ力強い情熱に基づいている。他人の評価や世間の常識に自分を合わせるのではなく、その瞬間ごとに自分が「面白そう」「やってみたい」と心が躍る感情を最優先にする。周囲から「あいつが一番人生を楽しんでいる」と言われる生き方を貫くこと、そして直面した課題から逃げずに全身全霊で向き合い切ることが、彼の全ての選択を貫く不変の美学である。


【現在の挑戦】

現在、松下が直面している最大の壁は、行動を起こす前の段階にいる大学1・2年生というペルソナに対して、どのようにニーズを掘り起こし、持続可能な参加へと繋げていくかという点である。

低学年層へのアプローチは企業にとっても難度が高い領域であるが、松下は幹部5名、総勢30名のメンバーとともに、既存の長期インターンよりもハードルの低い短期職業体験プログラムを設計するなど、試行錯誤を続けている。さらに将来的な起業を見据え、自らの力でマネタイズし、ビジネスとして価値を循環させるスキームの構築に果敢に挑んでいる。


【誰に、何を返したいか】

松下がこの活動の先で見据えているのは、共に走り抜けてくれた仲間や、これまで自分に関わってくれたすべての人々への恩返しである。大学を卒業する際、周りの仲間や後輩たちから「凜太郎が一番大学生活を楽しんでいた」「彼と出会えたことで自分の人生が一歩前に進んだ」と言われる存在でありたいと願っている。

自らの挑戦と背中で「人はいつからでも、自分自身の意思で人生を変えられる」という証明を刻むことこそが、彼が未来の世代と周囲の仲間たちに捧げる最大の手向けであり、感謝の返答なのである。

この学生に会いたい!応援したい!!

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