MAGAZINE/戦う学生たち

「誰かの挑戦」を灯す場所へ。逆境を越えて、私が選んだ「伴走者」という道         #SDR28-0227

2026.10.05

学生プロフィール

福岡大学3年、野田さくら。幼少期より持ち前の明るさと行動力で周囲を巻き込む性格だったが、小学校時代の環境で葛藤を経験。中学受験を機に自らの力で環境を切り開く強さを手に入れる。高校時代の放送部での経験から、才能の有無よりも「人の想いを形にする」サポート役に自らの価値を見出した。

現在は学生団体「I♡Fes」の代表として、熊本県の廃校を活用した文化祭を企画・運営する。「挑戦したいけれど一歩踏み出せない」そんな学生たちの背中を押すための場作りを命題に、仲間と共に奮闘を続けている。



熊本県芦北町。静まり返った廃校に、大学生たちの熱気が吹き込まれようとしている。

10月の3連休、今年で3回目を迎えるかつてない文化祭が、今年もこの廃校を舞台に幕を開ける。代表としてそのバトンを受け継いだのは野田さくら。「ワクワクから挑戦へ、理想を現実に」I♡Fesが掲げるその目的は、これまで歩んできた人生と不思議なほど重なっていた。

彼女がこのイベントに賭ける想いの裏には、幼少期から抱え続けてきた「居場所」への問いと、数々の逆境を乗り越えて培った「他者の想いを引き出す」という強い覚悟があった。今、彼女はなぜ、誰かの挑戦を支援することに全力を注ぐのか。その軌跡を紐解く。

【学生時代に成したいこと】

現在、私は「I♡Fes」の代表として、廃校を舞台にした文化祭の成功を目指している。目指すのは、単なるイベントの実施ではない。

挑戦したいという想いを抱えながらも、一歩が踏み出せないでいる学生たちが、安心して自分を表現できる「最初の場所」を作ることだ。参加者一人ひとりが、自分のやりたいことを形にする。この経験を通じて、彼らが自信を持ち、次のステージへ羽ばたいていく連鎖を生み出したい。

【その道を選んだ理由】

なぜ、あえて厳しい運営という道を選んだのか。それは、私自身が過去に「自分の想いを素直に出せなかった時期」があるからだ。

周囲の空気に合わせるのではなく、心からやりたいことを表現できる環境の尊さを、私は誰よりも知っている。自分自身が表現者として前に立つだけでなく、誰かの想いや魅力を引き出し、挑戦しようとする誰かの「背中を押す」存在でありたい。それが、多くの困難を乗り越えてきた私にしかできない役割だと感じているからだ。


【原体験における共鳴ポイント】

幼少期の私は、人一倍明るく、そして感受性が豊かな子供だった。

小学校時代、人間関係の軋轢に悩み、孤独を感じたこともあった。しかし、その苦しみは無駄ではなかった。負けたくないという想いで挑戦した中学受験が、今の私の「困難に立ち向かう力」の原点となっている。

周囲がどうあれ、自分の信じた道を進むことで環境を変えられることを学び、中・高では部活動の部長や実行委員として、泥臭くも仲間と共に一つの物事を成し遂げる喜びを掴み取った。


【覚悟が定まった瞬間】

高校時代の放送部での経験が、今の私のスタンスを決定づけた。

全国レベルの強豪校だったが、そこで『実力』だけでは割り切れない、指導の機会や扱いの差に理不尽さを感じていた。苦渋の決断で部を離れることになったが、それでも環境や周囲との関係性によって「やりたい」という想いが十分に発揮できない悔しさを知ったからこそ、「誰もが純粋に挑戦できる環境をつくりたい」という想いが強くなった。

あの時の悔しさが、今、運営メンバーと密にコミュニケーションを取り、一人ひとりの想いや個性を尊重しながら、全員の「やりたい」を形にできる環境をつくろうとする私の揺るぎない覚悟へとつながっている。

【意思決定の軸】

私の選択の軸は「誰かの挑戦のきっかけになれるか」である。自分自身が挑戦し、成長していくことももちろん大切にしたい。

けれどそれ以上に、私という触媒を通すことで、誰かの才能が輝き、誰かの人生が前に進むということに大きな喜びを感じる。代表としての判断基準は、常に「それが参加者にとって、かけがえのない最初の一歩になるかどうか」だ。自分自身が主役である必要はない。誰かの夢が開花する瞬間に立ち会えることが、私にとって最大の報酬だからだ。


【現在の挑戦】

最大の課題は「集客」だ。50名の参加者を集めることは容易ではない。チームの仲間たちも、個性的でクリエイティブな才能を持っている一方で、グイグイと前に出ることを苦手とする子が多い。

だが、私はあえて彼女たちの「控えめな優しさ」を尊重したい。Discordにおける運営全体での毎日の対話、時には個人でコミュニケーションを取りながらメンバー一人ひとりのモチベーションをケアし、チームとしての結束を高めている。泥臭い努力の先にしか、本当の成功はないと信じているからだ。


【誰に、何を返したいか】

卒業の時、誰に何を言われたいか。

それは、やはり両親だ。「頑張ったね」という一言でいい。

学歴や世間体ではなく、私が学生団体として走り抜け、誰かのために尽くしたその時間を、誇りに思ってほしい。そして何より、私の企画を通じて一歩を踏み出した学生たちから「野田さんのイベントのおかげで、やりたいことに挑戦できた」という言葉をもらえたなら、私の大学生活は100点満点だと言える。

この学生に会いたい!応援したい!!

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