MAGAZINE/戦う学生たち

挫折を成長の糧に変えて。自走するチームをつくり上げ、熱量のバトンを次世代へ繋ぐリーダーの覚悟      #SDR28-0226

2026.10.02

学生プロフィール

静岡県出身。立命館大学3年。STUDY FOR TWO立命館大学支部代表。幼少期からピアノや陸上など多数の習い事に自ら挑み、「過去の自分を超える」目標達成を重ねてきた。大学入学時、休止状態にあった同団体と出会い、教育支援の理念に深く共感して1人で支部を再興。メンバー激減という挫折を乗り越え、1 on 1の導入や粘り強い交渉で寄付・販売目標を達成。現在はメンバーの主体性と当事者意識を高める引き継ぎと、互いに高みを目指し合える持続可能な組織づくりに挑戦している。



不要になった教科書を学生から寄付してもらい、安価で再販売することで得た利益を途上国の子供たちの教育支援へと繋げる

——ボランティアサークル「STUDY FOR TWO立命館大学支部」。

現在、着実な実績を残しながら活気あふれる組織を率いているのが、支部代表を務める田澤美央である。しかし、彼女が踏み出した最初の一歩は、休止状態にあった支部を「たった1人」で再興するという過酷なスタートだった。

高い目標を掲げ、直面する壁を泥臭い努力で突破していく彼女の強靭な実行力。その根底には、幼少期から絶え間なく育まれてきた「過去の自分を超え続ける」という揺るぎない原体験があった。

【学生時代に成したいこと】

田澤が学生時代に成したいこと、それは単なる寄付・販売冊数の数値達成にとどまらない。自身が引退・引き継ぎを控える中で掲げる最大の目標は、「組織の持続的な存続」と「メンバー全員が主体性と当事者意識を持つ状態の構築」である。

かつて消滅の危機に瀕した支部を立て直したからこそ、自分が去った後もメンバー一人ひとりが自走し、途上国の子供たちへ教育支援を届け続けられる組織基盤を確立すること。自らの情熱を受け継ぐ次世代リーダーへバトンを確実に繋ぐことこそが、彼女が成し遂げようとしている最終的なゴールだ。

【その道を選んだ理由】

2024年4月、立命館大学に入学した田澤は、サークル紹介冊子で「STUDY FOR TWO」の存在を知る。

しかし、胸を躍らせて連絡を取った彼女に告げられたのは、「すでに支部は畳まれている」という衝撃の事実だった。周囲が既存の活発なサークルへ進む中、彼女はあえて「休止中の支部をゼロから再興する」という険しい道を選択した。

高校時代、受験勉強との両立が叶わず抱いていたボランティアへの不完全燃焼感、そして「教科書を通じて学生と途上国の双方に貢献できる」という仕組みへの深い共感。「この手で教育を届けたい」という明確な目的意識が芽生えたとき、自ら道を切り拓く選択以外に迷いはなかった。


【原体験における共鳴ポイント】

田澤の行動原理を支える最大のエンジンは、幼少期から培われてきた「負けず嫌い」な精神である。

ただし、それは他者を見下すものではなく、「過去の自分を超えられたか」という自己との真摯な対話の中にある。幼稚園時代には毎日コツコツと練習を重ねてピアノの難曲「花の歌」を弾き切り、小学生で始めた陸上では短距離13秒台という高い目標に向かって努力を積み重ねた。

さらに高校時代には、人前で話す苦手意識を克服するためにあえて生徒会に飛び込み、全校生徒の前でのスピーチを通じて強い自信を獲得した。自力で課題を発見し、計画と練習によって克服してきた成功体験の数々が、「どんな困難でも向き合えば必ず乗り越えられる」という確固たる信念となり、現在の推進力へと直結している。


【覚悟が定まった瞬間】

1人で新歓活動を開始し、5人の仲間を集めて正式に支部を再開させた田澤だったが、大学2年の春に大きな挫折に直面する。メンバーがわずか2名にまで激減してしまったのだ。「1人で運営を抱え込んでしまい、周囲の当事者意識を薄れさせていた」と自身の姿勢を深く省みた彼女は、悲観することなく即座に行動を起こした。

他支部のミーティングや合宿に自ら飛び込んでノウハウを学び、組織改善のための施策を断行。月1回の1 on 1面談を通じて一人ひとりの不満や強みを丁寧に聞き出し、さらに「体験参加制度」を導入することで活動のハードルを下げる工夫を凝らした。自らの課題と向き合い、泥臭く仲間に向き合い直したこの瞬間こそ、彼女が本当の意味で「代表としての覚悟」を定めた瞬間であった。

【意思決定の軸】

田澤の意思決定の軸は、「高い目標に対して妥協せず、自らの努力と工夫で達成までの道筋を描けるか」という点にある。

大学選択においても、知名度ではなく「食を多角的に学べる日本唯一の学部」という本質に着目して進学を決定した。サークル活動における回収ボックス設置交渉でもその軸は遺憾なく発揮された。学内事務室や近隣カフェへの設置打診では、当初「設置場所や防犯上のリスク」を理由に断られたものの、彼女は決して諦めなかった。相手側の懸念点を一つひとつ洗い出し、双方にとってメリットとなる提案へと改善を重ね、実に3度の交渉を経て設置を実現させた。妥協を許さぬ準備と誠意ある交渉姿勢こそが、彼女の選択を常に成功へと導いている。


【現在の挑戦】

回収ボックスの増設によって寄付冊数52冊(目標50冊)を達成した田澤は、現在「販売数30冊以上」という更なる高み、そして秋の代わりへ向けた円滑な引き継ぎに挑んでいる。販売目標達成に向け、オンラインでの「販売予約サイト」の導入や学内ポスター・チラシ・SNS広報の強化を推進した結果、目標を超える32冊の販売を達成。

現在は、獲得した成果とノウハウを次世代へ確実に引き継ぐため、後輩一人ひとりに主体性を持たせるアプローチを継続している。自分自身が走るだけでなく、チーム全体の熱量を高めながら走らせるという「組織としての挑戦」に、彼女は今気に正面から向き合っている。


【誰に、何を返したいか】

引退と卒業を迎えるその時、田澤が言葉を交わしたい相手は、共に汗を流した支部の仲間や友人たちだ。彼女がかけられたい言葉、それは「みおちゃんと一緒に、これからも頑張って高みを目指したい」という言葉である。

単に「引っ張ってくれたリーダー」として感謝されるのではなく、お互いに刺激を与え合い、共に高い目標へ挑み続けた「最高の伴走者」として認められること。自分自身が高みを目指し続ける姿勢を示すことで周りの熱量に火をつけ、関わる全ての人々と高め合える関係性を築くことこそが、彼女が仲間や組織へ捧げる最大の恩返しである。

この学生に会いたい!応援したい!!

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